
人事・労務業務もDX?―脱ハンコとは言うものの…何から進めれば?―
ここ半年ほどで急速にDX(デジタルトランスフォーメション)という言葉が拡がりましたね。3密回避として出社自体の是非を問われるようになり、「テレワークを推進しているのに、ハンコを押すために出社?!」と、ちょっとした社会問題のように扱われていました。
首都圏では出勤制限やテレワークが一気に進み(若干以前の風景に戻ってきた感じもありますが…)、それに伴い書類をワークフロー化したり、書類そのものの必要性を見直ししたりと、一定の影響は出たように思います。企業間の契約書も、電子契約(クラウドサイン)に移行するなど徐々に浸透・広がりを見せています。
一方地方ではどうでしょうか。緊急事態宣言解除と同時に出勤制限が解かれたところが多く、本社機能が東京でも、地方にある支社、支店、工場などは通常出勤が多いように感じます。(中には、地方の工場の出勤率は下げられないので、東京本社の社員の出勤を抑え、何とか企業全体で出勤率を下げる取り組みもあるようです…)
出勤が前提の職場で、DX化やデジタル化を進める場合、よほど「生産性が上がる」と分かっていなければ、なかなか取り組む意義を見出しにくいかもしれません。「どうせ確認するんだから、ハンコが早い」となりそうです。
であれば、まずはいきなりハンコをやめるより、「紙保管そのものを取りやめる」ワークフロー化やクラウド化はいかがでしょうか。印刷作業や保管スペースがなくなるという単純な点で成果を実感しやすいかもしれません。
もし各人にPCが配置されていなければ、助成金を活用してタブレットを導入する、アプリ対応サービスを検討し、個人のデバイスからクラウドに入ってもらう…など、今はいろんな手段があると思います。
そのほか勤怠システムなどの置き換えも効果的だと思います。システム自体が古くなっているのに保守費用が高いままだとか、稀に紙運用されているケースもあるようです。
クラウド型勤怠システムに置き換えると、紙やハンコがなくなる以上に、計算・集計業務が格段に速くなるなど大きな効果が得られると思います。
費用面など検討事項はあるものの、DX化をすべての社員に実感してもらうには、意外に≪人事労務周り≫から始めるのが近道かもしれません。